第120話

ヘリオスは周りを見回し、意識を取り戻そうとする中で一瞬視界が霞んだように感じた。

「医師がちょうど出て行ったところだ。必要な休息をとれば、薬は効くだろう」

その声に、彼はすぐに霧の中から抜け出し、ここにいるとは思わなかった女性を見つめながら急に起き上がった。

「君はなぜ…」

「リラが君に何をしたにせよ、彼女と関係を持った時のことだが、その効果は薄れているはず。自分で解き放つために、君の力を取り戻す必要がある」

ヘリオスは彼女を見つめた。彼女の顔には感情が見えず、どう接すればいいのか分からなかった。

「もう行くわ」彼女は彼のそばのろうそくを吹き消しながら言った。彼は彼女の手を少し強く握ったが、彼...