第62話

エンゾは前日にアレクシアを見失った後、宮殿を離れるという考えにはあまり乗り気ではなかったが、女王に「ノー」と言うことはできなかった。女王の希望について説明を受けた時、彼の目には明らかな懐疑の色が浮かんでいた。しかし、彼は彼らに同行させる警備員を派手なほど多く連れていくことにした。彼もまた森に住む癒し手についての噂を聞いており、ハーレイが外出の手配について話した時にそのことを伝えた。渋々ながらも、彼は必要な準備を始めたが、国王への通知は拒否した。それはアレクシア自身がやらなければならないことだった。

キャスペインは彼らが宮殿を出ることにあまり乗り気ではなかったが、エンゾが過剰な数の警備員を連れ...