第21話

夕日の光が消えていくのと同じくらい、ドライブは早かった。車内では他愛のない会話をし、二人はただお互いの存在を楽しんでいた。アレクシアの緊張は徐々に和らいでいった。

車は滑らかに道路を進み、曲がり角を曲がっていく。やがて駐車場に到着した。アレクシアは車がエレベーターの前で停まるまでの様子を見ていた。

状況は少し分かりにくかったが、キャスピアンは車から降り、スーツのボタンを留めながら彼女のドアへと向かった。軽く頭を下げて彼女のドアを開けた。

彼女の心臓は再び早鐘を打った。母の教えを思い出しながら、彼女は優雅に車から降り、キャスピアンの手を取って体を支えた。

彼はエレベーターへと彼女を導きな...