第11話

アレクシアは一晩中寝返りを打ち続けた。舞踏会での出来事が頭の中で何度も繰り返された。

キャスピアンは彼女を望んでいるように見えたけれど、もし本当にそうなら、なぜ他の女と寝て、自分の運命の相手を待たなかったのだろう?すべての狼には運命の相手がいるはず。彼女がどこかにいることを彼は知っていたはずなのに?

眠ることを諦め、ベッドから転がり出て伸びをした。トレーニングウェアを身に着け、ルカと会うために部屋を出た。

双子は宮殿滞在中もトレーニングの習慣を続けることにした。ルカは笑顔で訓練場に現れた。恋に落ちた男の表情だった。

「おはよう、レックス」彼は言った。

「おはよう、ロミオ」彼女は微笑み...