第74話

ダリアの視点

彼はまだカイルのことで怒っていた。私のお尻を強く握る彼の手のひらの荒さから、それを感じ取れた。今の私はきっと散々な姿をしているだろう。口は腫れ、彼のあまりの大きさに涙で頬は筋だらけ、幸いマスカラはウォータープルーフだった。髪は乱れていたけど、ありがたいことに私の髪型は乱れるほど可愛く見えるタイプだから、身だしなみを整えるのは難しくないはずだ。

彼がキスを柔らかくして、舌で私の唇を優しくなでたとき、私は小さな嗚咽を漏らした。私は彼の顎に手を添えた。次にいつ一緒に過ごせるか分からないから、この瞬間の一秒一秒を楽しんでおこう。


ドアを開けると、予想通...