第34話

ダリアの視点

「すぐ戻るから」彼は言って、立ち去ろうとした。

「だめ!!」思わず口から言葉が飛び出した。「ここにいて」と私は躊躇いながら言った。彼は足を止め、くるりと振り返って私の方を向いた。

「お願い、行かないで」私はシーツを握りしめた。

「でも俺は…」

「お願い」私は涙ぐみながら懇願した。私が泣きそうになっているのに気づくと、彼はベッドに近づき、隣に座って息を吐いた。

「こっちにおいで」彼は私を引き寄せ、私の頭を彼の胸に乗せた。「大丈夫だよ」彼は優しく私の絹のような髪を手のひらで撫でた。私は彼のシャツを握りしめ、神経を落ち着かせようとした。彼を抱きしめながら、シャツの下の岩のよ...