第22話

ダリアの視点

「ナイジェル、何してるの?」私は一度目に返事がなかったので、もう一度尋ねた。

「引っ越すんだ。昇進したからね」ナイジェルは悲しそうな表情で私の方を向いて答えた。

「それはおめでたいじゃない」私は彼に向かって笑顔を見せた。「でも、どうしてそんなに落ち込んでるの?」彼が荷物をまとめる様子を見ながら、私の笑顔はゆっくりと消えていった。

「引っ越すからだよ、リア。もう会えなくなるんだ」私はまだ混乱していた。彼の言っていることが理解できなかった。

「わからないわ。どこに引っ越すの?」私は眉をしかめた。

「別の支店に。町の反対側にある」

「え?」私は小さな声で言った。あまりにも...