第170話

ジェイソンの視点

車から降りると、仕事で疲れた体に別の種類の疲労が重くのしかかっていた。病院が目の前に聳え立ち、その無機質な壁は私が握りしめているダリアの鮮やかな色彩と対照的だった…。バラではなくダリアを持ってきたのは少し子供じみた行動だとわかっていたが、最後に確認したとき彼女はダリアの方が好きだと言っていた…はずだ。彼女の病室に色彩と生命力をもたらし、彼女の気持ちを明るくしたいと思っていたが、今となっては彼女がそれに気づくかどうかさえわからない。

自動ドアを通り抜けると、消毒薬の匂いが胃を殴られたように襲ってきた。この場所が嫌いだった。絶え間なく鳴り響く機械音や、ひそひそ話、そして私を覆...