第13話

ダリアの視点

「何を待ってるんだ?拾え!」ジェイソンは背中を向けたまま命令し、その深くてセクシーな声に、私の心臓は喉元まで飛び上がった。今度は何をたくらんでいるの?

私は彼が服を落とした場所に素早く移動した。腕に服を抱えると、どうしても匂いを嗅ぎたくてたまらなかった。彼は私を見ていないから、ちょっとだけ嗅いでもいいよね。服を鼻に近づけた瞬間、彼が振り向いて私と目が合い、その場で固まってしまった。なんてついてないの!

完全に恥ずかしくなって、ゆっくりと頭を上げ、鼻を彼の服から離した。意外なことに、彼は何も言わなかった。きっと私のことを変な人だと思っているに違いない。彼の匂いがとてつもなく良...