第53話

アルタイア

仕事は少し落ち着いてきていた。私が戻ってきたことで母の肩の荷をかなり軽くできるようになった。なぜなら母以外で、お客様の希望をスケッチできるほどの技術を持っているのは私だけだったから。ブティックには他にもう一人スタッフがいたけど、彼女は裁縫師で、お客様の採寸や洋服選びを手伝う仕事を担当していた。私たちは自分たちのデザインも他のデザイナーの作品も含め、多くの美しいドレスを販売していたけれど、やはりオーダーメイドのドレスを希望する人も多かった。

こなすべき仕事量が多くて、時間が本当にあっという間に過ぎていく。もう家に帰ってきて3週間になるけど、家に着くとベッドに頭をつけた瞬間...