第99話

エピローグ - 第一部

「君のいない時間は十分すぎるほど過ごしてきた。もう二度と何物にも俺たちを引き離させはしない」

グリフィン・バルドー

3年後

「マダム、ご注文のカクテルをどうぞ」

私はためらうことなくバーテンダーから薄い色のカクテルを受け取り、一口飲んだ。爽やかな柑橘系の風味が、予想以上にアルコールを隠していた。

「お気に入りですか?」彼はフランス訛りの強い英語で尋ねてきた。三十代半ばくらいで、濃い口ひげと明るい瞳をしていた。私がバーに座っている間、ずっと一人で働いていたが、彼は難なく客から客へと軽やかに対応し、わざわざ私が好みそうなカクテルを作ってくれたほどだった。

「ええ、...