第55話

第55章

「君は私の中で燃える炎だ」

ケルヴィン・オラルフ

もし近くにカメラか携帯があったら、グリフィンに彼を自分のものにしたいと伝えた時の彼の表情を写真に撮っていただろう。まるで私が実は宇宙人だとか月に住んでいるとか、そんな信じられないことを言ったかのような顔をしていた。

口を開けたまま、グリフィンはようやく話すことができた。「俺を自分のものにする?」と彼は言った。「噛み付くってこと?」

その考えが馬鹿げて聞こえるのは分かっていた。私はオオカミじゃない。魔法のように傷跡を残せる牙も持っていない。でも歯と犬歯はある。彼らほど鋭くはないかもしれないが、それでも誰かの首に食い込むことはでき...