第19話

第19章

「石の壁は牢獄を作らず、鉄格子も檻にあらず」

リチャード・ラブレース

目を覚ました時に最初に気づいたのは、喉がとても乾いていることだった。まるで砂を飲み込んでいるような感覚で、何日も水を一滴も飲んでいないかのようだった。

次に気づいたのは、私が横たわっている柔らかいシルクのシーツが私のものではないということだった。父の家の私の寝室がどれだけ素敵だとしても、彼がエジプト綿に贅沢をしているはずがない。

『待って、誰かが私の髪を撫でている?』

まだ半分眠っている状態で、私は目を無理やり開け、ぼやけた視界をはっきりさせようとした。一瞬かかったが、徐々に見知らぬ部屋とベッドが視界に入ってきた...