第56話

アローラの視点

アルファが紹介をしていた時、私はすぐに何かが起きていることに気づいた。ジャクソンを見ると、彼の体は震え、私のガンマになるはずのハイブリッドに対して強烈な視線を向けていた。ハートソング・マンションで唯一のハイブリッドではなくなるのが嬉しかった。「もう私たちは一人じゃないわね」とゼナとセレナに伝える。彼女たちの喜びは私と同じ、私たちの感情は同じ波長にあることが多い。

そのハイブリッドを見ると、彼の視線はジャクソンだけに向けられていて、彼の中の緊張感は手に取るように分かった。「へえ」と私は思った。「ジャクソンは男性が好きなんだ、全然気づかなかった」。さらに驚いたのは、彼のメ...