第55話

ヴィクターの視点

彼はそこに立って、私を見つめている。部屋に彼を追いかけてきた私は、ドアに背中をもたせかけ、鍵をかけた。このオオカミを私と二人きりで閉じ込めたのだ。彼は私より若く、体格も良かった。私は彼の筋肉を眺める。彼のぴったりとした緑のTシャツの下に見える青銅色の肌の隅々まで触れたいと思い、全ての衣服を脱がせたくなった。彼の緑と琥珀色が縁取られた視線が、炎のような熱さで私を焼き尽くす。

「ヴァシュ、ニコラス」私は自分のオオカミと精霊に呼びかける。二人とも「『運命の相手だ』」と答え、私の目を通してジャクソンを見ていた。ジャクソンのオオカミが彼の中から私たちを覗いている。その目は琥珀...