第168話

ダミアンの視点

私は執務室で、アンティーク調の椅子に座って机に向かっていた。それは大きな椅子で、濃い茶色のスエード生地に覆われ、下には濃い桜色の木材が使われていた。アローラはこの椅子を一目見て気に入り、彼女がその椅子に丸まって仕事をするとき、とても愛らしく見えた。

机も大きなアンティーク調で、これもまたアローラが非常に気に入っていたものだった。私は彼女が好きで日常的に使うものに囲まれていたいと感じていた。それが私が自分の執務室ではなく、彼女の執務室で仕事をしている理由だった。

禁断の地域の近くにある唯一の町に派遣した狼たちからの報告書を読んでいた。彼らはサラがそこにいた証拠を見つけ...